2025年時点でノマドビザを発行している国とは?
「どこの国でノマドビザを取得できるの?」
そんな疑問を持つ方は年々増えています。
2025年現在、ノマドビザを正式に発行している国は50か国以上にのぼります。
リモートワークが世界的に定着し、各国が「ノマド層」を新しい経済の担い手として歓迎する流れが広がっているのです。
ここでは、制度が広がっている背景とともに、導入が早かった先進国と、最近人気が高まっている新興国を紹介します。
ノマドビザ制度を導入している国は年々増加中
ノマドビザ(Digital Nomad Visa)とは、リモートワークで収入を得ている外国人が一定期間、その国に合法的に滞在できるビザのことです。
もともと、パンデミック以降に観光業が打撃を受けた国々が、新しい形の滞在者としてノマド層に注目したことが制度誕生の背景にあります。
- 2020年時点:わずか数カ国のみ
- 2023年時点:約30カ国が導入
- 2025年現在:50カ国以上に拡大中
中でも、ヨーロッパ・中南米・東南アジアを中心に制度が整備され、ITフリーランスやクリエイターを対象とした受け入れ体制が急速に進んでいます。
ノマドビザは、もはや一部の国だけの特別な制度ではなく、「世界中に広がる新しい滞在スタイル」と言えるようになりました。
制度導入が早かった先進国(エストニア、ドイツなど)
最初にノマドビザを導入した国のひとつが、エストニアです。
2019年に世界で初めて「Digital Nomad Visa」という名称で制度化し、
デジタル政府としてのインフラを活かしてスムーズなオンライン申請を実現しています。
その他にも以下のような先進国が、早い段階でノマド層の受け入れに乗り出しました。
代表的な先進国:
- ドイツ:2012年からフリーランサー向けの「Freelance Visa」を提供。ITや文化職種に特化。
- ポルトガル:2022年に月収条件付きのノマドビザ(D8ビザ)を導入。英語も通じやすく、日本人にも人気。
- スペイン:2023年に「スタートアップ法」に基づくノマドビザをスタート。
これらの国に共通しているのは、行政手続きのオンライン化が進んでいることと、外国人受け入れに寛容な文化です。
「申請しやすさ」「生活のしやすさ」「英語環境」が整っている点も、先進国ならではの強みです。
近年注目されている新興国(ジョージア、タイ、メキシコなど)
最近では、生活コストが安く、暮らしやすい新興国でもノマドビザ制度が広がっています。
これらの国々は、物価が安いだけでなく、自由度の高い制度設計や、自然・文化の魅力で多くのノマドを惹きつけています。
代表的な新興国:
- ジョージア:「Remotely from Georgia」プログラムで、条件を満たせばビザ不要で最大1年滞在可能。税制も有利。
- タイ:「LTRビザ(Long Term Resident)」で、一定収入のあるノマドに最長10年の滞在を許可。バンコク・チェンマイが人気。
- メキシコ:180日以上滞在可能な「Temporary Resident Visa」がノマド層にも対応。開放的な文化とビーチの魅力で人気上昇中。
- アルゼンチン、コロンビア、ドミニカ共和国なども独自制度を整備中。
新興国の魅力は、柔軟な制度、物価の安さ、豊かな自然環境と文化。
はじめての海外ノマドに選ばれることも多く、2025年も注目のエリアです。
次のセクションでは、地域別にノマドビザを導入している国々の傾向を詳しく見ていきましょう。
ヨーロッパ・アジア・中南米といったエリアごとの違いが、ビザ選びのヒントになります。
地域別|ノマドビザ対応国の特徴と傾向
ノマドビザを発行している国は世界中に広がっていますが、エリアごとに制度の設計や暮らしやすさの傾向が異なります。
このセクションでは、地域別に代表的な国の特徴と、どんな人に向いているかを解説します。
ヨーロッパ|デジタルインフラが整った人気エリア
ヨーロッパは、行政の透明性とITインフラの充実度が高く、安心して長期滞在できる地域です。英語対応の行政手続きが進んでおり、初めてのノマドにもおすすめです。
主な対応国:
- エストニア(デジタル国家、ノマドビザの先駆け)
- ポルトガル(D8ビザで英語リモートワーカーに人気)
- クロアチア、ギリシャ、スペインなども制度拡充中
特徴:
- 高速インターネットとコワーキングスペースが豊富
- 交通・治安・医療水準も高く、生活の質が高い
- 滞在費はやや高め(例:ポルトガルで月10万〜20万円程度)
「安心して暮らしながら、ヨーロッパ各国を旅したい」人に最適
アジア|物価の安さと生活のしやすさが魅力
アジアは、生活コストが安く、親日国も多いため、日本人が暮らしやすい地域です。長期滞在しやすい国が増えており、近年注目度が上昇中。
主な対応国:
- タイ(LTRビザやノマドフレンドリーな環境)
- インドネシア(バリ島での長期滞在向けに制度設計中)
- マレーシア(MM2Hに代わる新制度が導入予定)
特徴:
- 食事や住居費が安く、コストパフォーマンス◎
- アジア圏ならではの親しみやすい文化
- コミュニティ形成が盛んな都市(チェンマイ・バリなど)
「低コストで自由な生活を送りたい」初心者ノマドにおすすめ
中南米・カリブ|観光地とビザ制度の両立
中南米やカリブ諸国は、温暖な気候とリゾート地の魅力を兼ね備えた人気エリア。
特に「観光+仕事+暮らし」をバランスよく楽しみたい人に選ばれています。
主な対応国:
- メキシコ(比較的取得しやすく滞在期間も長い)
- コロンビア、アルゼンチン、エクアドル(ビザ整備が進行中)
- ドミニカ共和国、バルバドス(観光国家がノマド誘致)
特徴:
- 滞在条件が緩めで、比較的ビザが取りやすい
- 美しい自然と陽気な文化が魅力
- 一部の国では治安や言語(スペイン語)に注意が必要
「仕事とバケーションを両立したい」自由志向のノマド向け
その他の地域|アフリカや中東でも広がる制度
近年では、アフリカや中東でもノマドビザ制度が少しずつ拡大しています。まだ情報が少ない国もありますが、将来的な成長が期待される地域です。
主な対応国:
- モーリシャス(アフリカで初のノマド向け制度)
- アラブ首長国連邦(ドバイが「バーチャルワークビザ」導入)
- カーボベルデ、セイシェルなど島国も制度整備中
特徴:
- 富裕層向けの制度設計が多く、一定の収入要件あり
- ITインフラは国によってばらつきあり
- 自然が豊かで、生活コストが地域によって大きく異なる
「未開拓の地でノマドライフを楽しみたい」上級者向けエリア
次のセクションでは、国別のノマドビザ条件を表で比較し、どの国が自分に合っているかをチェックできるようにします。
収入条件や滞在可能期間を具体的に知りたい方は、ぜひご覧ください。
ノマドビザの主要条件を国別に比較【一覧表あり】
ノマドビザを検討するうえで、多くの方が気になるのが「自分は取得できるのか?」という条件面です。
このセクションでは、主要国の代表的な条件を項目別に整理し、比較しやすいようにまとめました。
国によって大きく異なる点があるため、収入や語学力、手続きの簡易さなど、重視する軸から選ぶことが重要です。
収入要件(月収/年収)
ノマドビザの取得条件で最も多くの国が設けているのが、「一定以上の収入があること」です。
これは滞在中の生活を自力でまかなえることを示すもので、ビザ審査の大きなポイントになります。
| 国名 | 月収または年収条件 | 補足 |
|---|---|---|
| エストニア | 月収3,500ユーロ以上(約55万円) | 税引き前である必要あり |
| ポルトガル | 月収2,800ユーロ以上(約45万円) | 年間3.3万ユーロ以上も可 |
| ジョージア | 月収2,000米ドル以上(約30万円) | 年収2.4万ドル以上 |
| メキシコ | 月収2,595米ドル以上(約40万円) | 銀行残高で代用も可能 |
| タイ | 年収8万ドル以上(約1,200万円) | LTRビザ、厳しめの条件設定 |
フリーランスやリモート勤務で収入の証明書(明細・契約書)を英文で提出できるかがカギです。
滞在可能期間と更新の可否
ノマドビザは「観光ビザより長く滞在できる」のが魅力ですが、その期間と更新可否は国によって差があります。
| 国名 | 滞在可能期間 | 更新の可否 |
|---|---|---|
| エストニア | 最大1年 | 原則更新不可 |
| ポルトガル | 初回1年→更新で2年可 | 最大5年まで可能 |
| ジョージア | 最長1年(ビザ免除) | 特別許可で延長可能 |
| メキシコ | 最大4年間の延長可 | 条件を満たせば更新可能 |
| タイ | 最大10年(LTR) | 5年ごとに審査あり |
「短期滞在で複数国を巡りたい」or「1国に腰を据えたい」かで選ぶ国は変わってきます。
語学要件・保険加入義務
ノマドビザに語学試験の義務は基本的にありません。ただし、手続きは英語または現地語で行われることが多く、実務レベルの語学力は必要です。
また、ほぼすべての国で「滞在期間をカバーする海外医療保険への加入」が求められます。
| 国名 | 語学要件 | 医療保険の加入 |
|---|---|---|
| エストニア | 英語での手続きOK | 必須 |
| ポルトガル | 書類提出は英語対応可 | 必須 |
| ジョージア | 英語で申請可能 | 推奨(義務ではない場合も) |
| メキシコ | 英語またはスペイン語 | 必須(英語の保険証書必要) |
| タイ | 英語での対応可 | 医療・旅行保険必須(高額) |
保険加入証明書は英文で準備し、治療費をカバーする補償額の条件も要チェックです。
オンライン申請の可否と手続きの簡易度
ビザ申請の手間は国によって異なりますが、オンラインで完結できる国が増えています。
スムーズに申請できるかどうかは、初めての海外ノマドにとって大きなポイントになります。
| 国名 | オンライン申請 | 手続きの簡易度 |
|---|---|---|
| エストニア | 完全オンライン | 非常にスムーズ |
| ポルトガル | 一部オンライン | 書類が多くやや複雑 |
| ジョージア | ビザ自体不要 | 非常に簡単 |
| メキシコ | 申請は大使館経由 | 面接ありで中程度 |
| タイ | オンライン申請可 | 書類の多さに注意 |
オンラインで完結できるかどうかは、初めてのノマドにとって心理的なハードルの差につながります。
次のセクションでは、これらの条件をふまえて「2025年におすすめのノマド国トップ5」を紹介します。
どの国が自分のライフスタイルや働き方に合っているのか?を、具体的にイメージできる内容になっています。
2025年に注目の「おすすめノマド国」トップ5
ノマドビザを取得できる国が増えたとはいえ、「どこが本当におすすめなのか?」と迷う方も多いはずです。
ここでは、2025年時点で特に注目されているノマドフレンドリーな国を5つ厳選し、それぞれの魅力と特徴を紹介します。
ポルトガル|制度の安定性+コミュニティの強さ
ポルトガルは、ヨーロッパの中でもノマド受け入れ制度が最も進んでいる国のひとつです。
- 2022年からノマド向けの「D8ビザ」を導入
- 月収2,800ユーロ以上(約45万円)の収入があれば申請可能
- 英語が通じやすく、リスボンやポルトは国際的なノマド都市として人気
さらに、日本人コミュニティもあり、初めての長期滞在でも孤立しにくい環境が整っています。
ヨーロッパの文化と自由な働き方を両立したい人に最適な国です。
ジョージア|税制メリットと自由度の高さ
ジョージア(旧グルジア)は、東ヨーロッパに位置しながらも、ノマドフレンドリーな政策と驚くほど自由な滞在制度で注目を集めています。
- 「Remotely from Georgia」プログラムで最大1年の滞在が可能
- 月収2,000ドル以上で取得対象に
- 所得税ゼロとなる「個人起業家制度」など、税制の恩恵が大きい
さらに、ビザ免除で入国でき、オンライン手続きがほぼ不要なのも大きな魅力です。
「税金を抑えながら自由に暮らしたい」ノマドにうってつけです。
タイ|暮らしやすさとコストパフォーマンス
タイは、東南アジアで最もノマドが集まる国のひとつ。バンコクやチェンマイには、世界中からリモートワーカーが集まり、活発なノマドコミュニティが形成されています。
- LTR(Long-Term Resident)ビザにより、最大10年の滞在が可能
- 月収条件はやや高め(年収8万ドル〜)だが、企業経営者・投資家向けにも対応
- 生活費が安く、コワーキング環境が整っている
屋台グルメ、マッサージ、交通の利便性なども相まって、コストパフォーマンスの高さが最大の魅力です。
「快適で安く、活気あるアジア生活を送りたい」人にぴったりです。
メキシコ|滞在しやすさと文化の多様性
メキシコは、中南米で比較的審査が緩やかで、自由度の高い滞在が可能な国としてノマドに人気です。
- 「Temporary Resident Visa」で最長4年まで滞在可能
- 月収約2,500ドル以上の証明で取得可能
- メリダ、プラヤ・デル・カルメンなど安全かつ住みやすい都市が増加中
陽気な文化、美しいビーチ、多国籍料理など、文化的多様性と暮らしの豊かさを両立できるのが大きな強みです。
「旅しながら多様な文化に触れたい」人には最高のロケーションです。
エストニア|先進的な電子国家
エストニアは、「デジタルノマドビザ」を世界で初めて制度化した国として有名です。
国全体がIT先進国として知られ、e-Residency(電子居住制度)を導入しているユニークな国でもあります。
- 月収3,500ユーロ以上の収入でノマドビザ申請可能
- 手続きは完全オンライン対応
- 国民IDすらデジタル管理されるほどの電子行政国家
治安も良好で、欧州の中でもシンプルで暮らしやすい都市設計が支持されています。
「IT系ノマド・クリエイターにとって最高の環境」です。
次のセクションでは、ビザを取得する際に注意したい「国ごとの制限や落とし穴」について詳しく解説していきます。
申請前に知っておくべきルールや、課税・同行家族の扱いについてもお見逃しなく。
ビザ申請時に知っておくべき注意点【国によって異なる】
ノマドビザは自由度の高い制度として注目されていますが、国によって細かな条件や制限に違いがあるため、事前に確認しておくことがとても重要です。
知らずに滞在を始めてしまうと、「税金が発生してしまった」「働いてはいけないことを知らなかった」など、思わぬトラブルに発展する可能性も。
ここでは、ビザ取得時によくある3つの落とし穴について解説します。
「滞在日数=課税対象」となる国もある
多くのノマド向けビザは、「就労は国外で行い、所得も国外で得る」ことを前提としていますが、
滞在期間が一定日数を超えると「居住者」とみなされ、課税対象となる国があります。
例:
- ポルトガル・スペインなど:年間183日以上滞在すると「税法上の居住者」とされ、全世界所得に課税される可能性あり。
- ジョージア:180日以内なら課税対象外だが、長期滞在での事業活動には申告が必要。
こうした制度は見落としがちですが、「住民」と見なされるライン(滞在日数・活動内容)を超えるかどうかで大きく状況が変わります。
対策:滞在日数を管理する、もしくはタックスフリー制度を活用できる国を選ぶこと。
現地雇用の禁止ルールに注意
ノマドビザの多くは、「自国以外の企業・個人とオンラインで仕事をしていること」を条件にしており、
ビザ取得国の企業で雇用契約を結ぶこと(ローカル就労)は原則禁止となっています。
注意点:
- 飲食店や現地企業でのアルバイトは違法になる可能性あり
- ノマド仲間と現地法人を立ち上げる場合も、ビザの種類変更が必要になることも
就労ビザとは目的が異なるため、現地の収入を得る場合は別のビザを申請する必要があります。
同行家族の扱い(帯同ビザ)も国ごとに違いあり
「ノマドとして海外で暮らしたいけれど、家族も一緒に行ける?」というのは、多くの人が気になるポイントです。
しかし、家族帯同の扱いは国によって大きく異なるため、必ずビザ取得前に確認しておく必要があります。
国別の傾向:
- ポルトガル・スペイン・タイ:扶養家族向けの帯同ビザがあり、子どもの就学も可能
- エストニア・ジョージア:帯同制度なし。家族も個別にビザが必要な場合あり
- メキシコ:パートナーや子どもも申請対象になるが、手続きは別途必要
「家族も一緒に滞在したい」場合は、帯同制度の有無と条件を必ずチェックしましょう。
ノマドビザは自由な反面、国によって制度の解釈や運用が異なるため、油断は禁物です。
特に税金や就労の取り扱い、帯同者のビザは生活に直結するため、信頼できる情報源での確認と専門家への相談が大切です。
次のセクションでは、各国共通で必要とされるビザ申請書類や、準備チェックリストについて詳しく解説します。初めての方でも安心して手続きできるようにまとめています。
まとめ|目的や働き方に合った国を選ぶのが成功のカギ
ノマドビザは、場所にとらわれない働き方を実現する上で、大きな味方になる制度です。
ただし、制度が広がっている今だからこそ、「どの国が自分に合っているか?」を見極めることが最も重要になっています。
収入・生活費・言語などで最適な国は変わる
例えば、同じようにフリーランスのライターでも──
- 安定収入があるなら:制度が安定したポルトガルやエストニア
- 生活費を抑えたいなら:物価が安いタイやジョージア
- 英語が苦手なら:日本人コミュニティが多い国で安心感を得られる
- 税金を抑えたいなら:課税がゆるいジョージアやドミニカ共和国
といったように、収入条件、語学力、家族の有無、滞在目的(観光重視か、静かな環境か)などによって、向いている国は異なります。
「人気がある」=「自分に合う」とは限りません。自分のライフスタイルを軸に選ぶことが成功の近道です。
まずは1カ国、トライアル移住から始めよう
最初から複数国を移動するのではなく、まずは1カ国に3か月〜1年滞在してみる「トライアル移住」がおすすめです。
- 実際に住んでみないと分からないこと(文化、気候、人間関係)も多い
- ノマド仲間との出会いが、その後の国選びに繋がる
- 税制やビザ制度が変わる可能性もあるため、柔軟な対応力も大切
ノマド生活は、「完璧な条件の国」を見つけるよりも、「自分に合った場所を探す旅」のようなものです。
2025年は、ノマドビザ制度が世界的に成熟し始める「第二の転換期」。
情報収集・比較・行動をセットで進めて、自分らしい働き方と暮らし方を見つけましょう。

